「クレジットカードの紛失・盗難保障」で、一定の条件を満たせば、紛失・盗難でクレジットカードが不正使用されても、不正使用分は補償もらえる―と解説しました。補償を受けるための条件は、(1)不正使用が、“届け出た日から60日前にさかのぼった日以降”におこっていること(2)警察に届け出(紛失・盗難届)をしていること―です。
ただ、紛失・盗難保険は、上記の条件を満たせば、どんな場合でも補償されるわけではありません。紛失・盗難保険には、“会員に重大な過失がある場合には、補償が受けられない“という但し書きがついています。では、会員に重大な過失がある場合とは、具体的にどんな状況を指すのでしょうか?
以下のような“最低限の自己防衛”ができていなかった場合です。
- ●クレジットカードの裏面にサインをせずに不正使用被害にあった場合
●クレジットカードを他人に貸して不正使用被害に遭った場合
クレジットカードの裏面にサインをせずに不正使用被害にあった場合
最低限の自己防衛ができていない場合には、紛失・盗難保険による補償が受けられないと解説しました。ここでは、“クレジットカードの裏面にサインをせずに不正使用被害にあった場合“を解説します。
クレジットカードには、不正使用をあらかじめ防ぐしくみ(=カードの使用に、サインによる本人確認が必要)があります。
ただ、クレジットカードの裏面にサインをしていない場合、その不正使用防止のしくみが正常に働きません。なぜなら、クレジットカードを拾った、または盗んだ人物が、クレジットカードの裏面に自分でサインをして、クレジットカードを使用できてしまうからです。では、クレジットカードの裏面にサインをせずに不正使用被害にあった場合、紛失・盗難保険の補償を受けられるのでしょうか?
最低限の自己防衛をしていないと見なされるため、補償を受けられない可能性があります。
図:クレジットカードの裏面にサインをしていない場合の補償
クレジットカードを他人に貸して不正使用被害に遭った場合
クレジットカードの裏面にサインをしていない場合、最低限の自己防衛をしていないとみなされるため、紛失・盗難保険による補償を受けられない可能性があると解説してきました。
ただ、クレジットカードの裏面にサインをして、紛失・盗難での“見知らぬ第三者の不正使用”に備えたとしても、親しい方にクレジットカードを貸してしまうようでは、最低限の自己防衛ができているとは言えないでしょう。
現状、サインが不要である店*であれば、借りたカードで買いものすることは可能です。そのため、親しい間柄である場合、少額の買い物であれば、クレジットカードを貸してもいいと考える方もおられるかもしれません。
* 高額の買いものの場合には、サイン、暗証番号の入力が必要になる場合があります。
しかし、あなたがカードを貸した方が、クレジットカードを不正に使用する可能性もあります。例えば、“○○を買うためにカードを貸して欲しい”―という約束に反して、高額の商品を購入した場合などです。では、クレジットカードを他人に貸して不正使用被害にあった場合、紛失・盗難保険の補償を受けられるのでしょうか?
カード会員本人が不正使用を手助けしたと見なされるため、補償を受けられない可能性があります。
図:クレジットカードを他人に貸した場合の補償
- わき道にそれますが、これまで”不正使用の可能性があるため“、カードの裏面にサインをしなければならない・カードを他人に貸してはならない―ということを解説しました。これらは、“カード会員規約によっても禁止”されていますので、必ず守るようにしましょう。
※ 紛失・盗難保険には、他にも条件がついている場合があります。ご自身の紛失・盗難保険の適用条件についてじゅうぶんご確認ください。
「おすすめクレジットカード」を解説した記事はこちら
>>https://card.teiiyone.com/cat60/